インストールを始める前に、現在使用しているシステムのすべてのファイルを バックアップしてください。インストールの手続きはハードディスクのすべての データを消す可能性があります。 インストールに用いられるプログラム群は、極めて安定しており、何年も 使用されてきたものです。しかし、まだ何か間違いの起こる 可能性があるかもしれません。 注意深くバックアップを取った後も、この問題に関するあなたの答えと 行動について考えてみてください。 ほんの数分間の考慮によって、何時間もの不要な作業を避けることができる かもしれません。
また、複数のブートシステムをインストールする場合は、他にお持ちの オペレーティングシステムの配付メディアを、手元に置いておくことを 忘れないでください。 特にブートドライブのパーティションを切り直す場合は、 オペレーティングシステムのブートローダーや、場合によっては (Macintosh などでは) オペレーティングシステムそのものを、 再インストールしなければならなくなるかもしれません。
この文書に加えて、
cfdisk
のマニュアル、
fdisk
のマニュアル、
初心者のための dselect 入門
、
Linux/Alpha FAQ
、
を用意しておくとよいでしょう。
Alpha プラットフォームに関しては、
この移植版がかなり最近のものであることから、
ウェブを利用して、Alpha への Debian インストールに関する
最新ニュースを入手することを特にお勧めします。
特に、Debian-Alpha 公式ページ
(すべてのリンクが集められています) や、
Debian/Alpha 用 インストールディスクのページ
(特にそのインストールガイド
)、
Debian ALPHA インストール HOWTO
は注意を払っておいてください。
さらに、インストールガイドにもいくつかあり、 そのすべてを見ておく必要があります。 私たちはその不便さを残念に思っていますが、 一方これには Alpha に関する最新の作業が反映されています。
もし、コンピュータがネットワークに 24 時間フルに接続されているならば (つまり、PPP コネクションではなく Ethernet や それと同等なコネクションの場合)、 ネットワーク管理者に以下の情報を尋ねておくとよいでしょう。
コンピュータのネットワークへの唯一の接続が、PPP やそれと同等な ダイアルアップ接続を使うシリアルライン経由の場合、 おそらくネットワーク越しに基本システムをインストールすることはしないでしょう。 システムをインストールするまでは、 ネットワークの設定について悩む必要はありません。 Debian 上で PPP の設定をするための情報については 以下の PPP の設定, Section 7.22をご覧ください。
時々インストールに先立ってシステムを調整しなければならないことがあります。 x86 プラットフォームは、これらに関しては最も悪名高いものです。 他のアーキテクチャ上では、 インストール前にすべきハードウェアの設定はかなり単純です。
この節では、Debian のインストールに先立ってする必要があるかもしれない ハードウェアの設定を通して見てみましょう。 一般的に、このことはシステムのファームウェアの設定をチェックすること、 時にはそれを変更することを意味します。 「ファームウェア」は、ハードウェアが利用する中核的なソフトウェアで、 (電源が投入された後) ブートプロセスの間に起動される重要なものです。
多くの人たちが、例えば 90 MHz CPU を 100 MHz
で動作させるようなことに挑戦しています。
これは時にはうまくいきますが、温度や他の要因に敏感で、
実際にシステムに損傷を与えることもあります。
この文書の著者は、自分のシステムを 1
年間オーバークロックで動作させたことがありますが、その際、
カーネルのコンパイル中に予期しないシグナルを受けて gcc
の実行が中断するようになってしまいました。
この問題は、CPU の速度を普通に戻すことで解決しました。
gcc
コンパイラを使ってはじめて、メモリーの不良
(もしくは、予期しないデータの改竄を引き起すような他のハードウェア問題)
によって処理が中断する現象に遭遇することがよくあります。
これは gcc
が膨大なデータ構造を構築し、それを繰り返し
使うからです。これらのデータ構造のエラーは不正な命令や存在しないアドレス
へのアクセスを引き起こします。
この徴候として gcc
が予期しないシグナルで中断するのです。